2026年2月13日金曜日

キャッシングをした夜

夜は、決断の音を静かに包み込む。
昼間のざわつきが消え、
部屋にはキーボードを打つ音だけが残っていた。

申し込みボタンを押した瞬間、
どこか遠くで歯車が回り出した気がした。
数分後、
「ご利用可能」の文字が画面に表示される。

あっけないほど、簡単だった。
その簡単さが、
少しだけ怖い。

指定口座に入金された通知を見て、
胸の奥に小さな安堵が広がる。
これでひとまず、今月は乗り切れる。
そう思った。

でも同時に、
未来の自分から静かな請求書を受け取ったような、
そんな感覚もあった。

借りたお金は味方だ。
けれど、条件つきの味方だ。
約束を守らなければ、
簡単に重さへと変わる。

返済日をカレンダーに入力し、
毎月の支払い額を計算する。
数字は冷静で、
感情に寄り添ってはくれない。

夜の静けさの中で、
自分の選択を何度も反芻する。
これは逃げだったのか、
それとも必要な一歩だったのか。

答えはまだわからない。
ただ一つ言えるのは、
借りた瞬間から「返す物語」が始まったということ。

キャッシングをした夜。
安心と不安が同じベッドに横たわっている。

天井を見つめながら、
次の給料日を思い浮かべる。
そして静かに心の中でつぶやいた。

次は、もっと余裕のある夜を迎えられますように。



ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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