財布の中を見て、ため息が出る。
あれ?小銭しかない。いや、小銭さえも怪しい。
こんな時、現金が手元にないと世界が一気に遠くなる気がする。
自動販売機の前で立ち止まる。
「ジュース…いや、コーヒー…いや、我慢だ」
でも、どうしても今日使いたいお金がある。そんな時、キャッシングを考える。
ATMの画面を前にして、心の中で小さく呟く。
「お願い、出てきて…」
カードを差し込み、暗証番号を押す。指が少し震えるのは、気のせいじゃない。
借りた瞬間、財布の中は急に重くなったように感じる。
でもその重さは、安心感とちょっとした罪悪感の混ざった、変な感覚。
現金があるだけで、世界は少し優しくなる気がするのだ。
そして、帰り道。
「返さなきゃ…」
そんな現実も、歩きながら考える。
どうしても現金が必要な時は、少しの勇気と、少しの覚悟が必要なのだと知る夜。
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