昼下がりの光は、
朝よりも少しだけ現実的だ。
逃げ場を与えないかわりに、
妙な覚悟をくれる。
財布の中身を数えて、
通帳の残高を確認して、
それでも足りない現実を見つめたとき、
「キャッシング」という言葉が具体的になった。
朝は迷いだった。
でも昼は、行動に近い。
スマホの検索履歴に、
金利、即日融資、在籍確認という文字が並ぶ。
便利な時代だと思う。
申し込みは数分、
審査も早い。
画面の向こうで、すべてが完結する。
けれど本当に簡単なのは、
借りる瞬間までなのだろう。
返す時間のほうが、
ずっと長いのだと頭ではわかっている。
借りる理由を並べてみる。
今月だけ、
あと少しだけ、
次の給料日までの橋渡し。
言い訳のようで、
でもどれも嘘ではない。
生活はきれいごとだけでは回らない。
それでも、
返済額のシミュレーションを見たとき、
未来の自分の時間を少し前借りする感覚がした。
昼の空は青くて、
世の中は何事もない顔をして動いている。
その中でひとり、
小さな決断を握りしめている。
キャッシングをしようと思った昼。
それは弱さなのか、
それとも現実的な判断なのか。
答えはまだ出ないまま、
深呼吸をひとつして、
もう一度数字を見つめ直した。
借りるにしても、
借りないにしても、
少なくとも目をそらさない自分でいたいと思った。
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