「今だけ」という言葉は、だいたい強い。
限定、特別、チャンス。
その響きだけで、心拍数がほんの少し上がる。
給料日前。
財布は軽い。
でも欲しいものは重たい存在感を放っている。
そこへ現れる「今だけ」の文字。
まるで小さな悪魔だ。
「今日を逃したら損やで」とささやいてくる。
損という言葉は、なぜか妙に刺さる。
ここで登場するのが、冷静な私。
腕を組みながら、静かに言う。
「それ、本当に今なん?」
頭の中で会議が始まる。
欲しい私 vs 落ち着け私。
議論は白熱するが、だいたい最後はため息で終わる。
深呼吸して、画面をもう一度見る。
本当に必要か。
来月でもいいのではないか。
未来の自分は笑っているか。
冷静になると、「今だけ」は意外と静かになる。
さっきまでの勢いはどこへやら。
どうやら私の焦りに乗っかっていただけらしい。
今日は、見送った。
ほんの少し物足りない。
でもその代わりに、ちょっと誇らしい。
「今だけ」に勝ったというより、
自分のペースを守れた気がする。
それくらいが、きっとちょうどいい。
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