「毎月の返済日がバラバラで管理がつらい」「利息ばかり払っている気がする」。複数の借入がある人なら、一度は「おまとめローン」を考えたことがあるのではないでしょうか。
名前の響きは「返済が楽になりそう」ですが、実際にはどうなのでしょう。この記事では、仕組みからメリット・デメリット、向いている人・向いていない人まで、できるだけ冷静に整理します。
おまとめローンとは?
おまとめローンとは、複数の会社からの借入を、新しく借りる1本のローンで返済し、借入先を一つにまとめる仕組みです。
たとえば、A社に30万円、B社に20万円、C社に10万円の借入があるとします。おまとめローンで合計60万円を新たに借り、そのお金でA・B・C社に返済します。すると返済先は新しいローン1社だけになります。
「借金が減る」のではなく、「借入先と返済条件を整理し直す」ものだ、という点は最初に押さえておきましょう。
負担が減る可能性があるケース
1. 金利が下がる場合
いちばん大きなメリットは、金利が下がる可能性があることです。一般に、貸金業者のカードローンは借入額が小さいほど上限金利に近い金利が適用されがちです。おまとめで借入額が大きくなると、適用金利が下がるケースがあります。
たとえば、年18%で60万円を借りている状態が、年14%に下がったとします。利息は1年間でおおよそ2万4千円ほど変わる計算です(返済の進み具合によって前後します)。金利差が数%でも、長く返せば総支払額に大きく響きます。
2. 返済管理がシンプルになる
返済日が月に3回も4回もあると、うっかり遅れてしまうリスクがあります。1本化すれば、返済日も返済額も1つになり、管理は格段に楽になります。遅延を防げることは、信用情報を守るうえでも意味があります。
3. 毎月の返済額を抑えられる場合
返済期間を長めに設定すれば、毎月の返済額を下げることもできます。家計にすぐ余裕を作りたいときには助けになります。
「負担が減らない」ケースもある
ここからが大切なところです。おまとめローンには落とし穴もあります。
1. 月々は楽でも、総返済額が増えることがある
毎月の返済額を下げるために返済期間を延ばすと、利息を払う期間も延びます。金利が多少下がっても、期間が長くなった分、総支払額はむしろ増えるケースがあります。
「月々が楽になった」ことと「トータルの負担が減った」ことは別物です。契約前に、総返済額のシミュレーションで比較しましょう。
2. 金利が下がらないこともある
おまとめ後の金利は、審査結果で決まります。今の借入より条件が良くなるとは限りません。「まとめれば必ず安くなる」と思い込んで申し込むのは危険です。
3. 手数料や諸費用がかかる場合がある
商品によっては、事務手数料などがかかることがあります。金利の差がその費用で相殺されてしまえば、意味がありません。契約書や商品説明で、金利以外の費用も確認しておきたいところです。
4. 審査に通らない可能性がある
おまとめローンも通常のローンと同様に審査があります。すでに複数の借入があり、返済が遅れがちな場合などは、審査が厳しくなることがあります。
5. 空いた枠でまた借りてしまうリスク
意外と多いのが、おまとめをして元のカードローンの枠が空いたあと、また借り入れてしまい、結果的に借金が増えてしまうパターンです。
おまとめローンは、借金を整理する道具にすぎません。使い方を間違えると、返済先が増えただけで負担も増える、という結果になりかねません。
おまとめローンに向いている人
次に当てはまる人は、検討する価値があるでしょう。
- 3社以上から借りていて、返済管理が煩雑になっている
- 今の借入の金利が高めで、下がる見込みがある
- 返済計画を立て、それを守る意思がある
- 収入が安定していて、毎月の返済に無理がない
慎重に考えたほうがいい人
- 借入がすでに1社だけで、金利差もあまり期待できない
- 返済がすでに何か月も遅れている(先に相談窓口などへの相談が必要な場合があります)
- 「月々が楽になる」ことだけを理由に選ぼうとしている
- 元のカードの枠がまた使える状態だと、つい借りてしまいそう
申し込む前に確認したい5つのポイント
- 現在の借入の金利と残高を正確に把握する
- おまとめ後の金利・返済期間・毎月の返済額を確認する
- 総返済額を、今のまま返した場合と比べる
- 手数料などの諸費用の有無を確認する
- 元のカードや借入枠をどうするか、あらかじめ決めておく
この5点を確認するだけでも、「思っていたのと違った」という後悔はかなり減らせます。
結局、おまとめローンで負担は減るのか?
答えは「条件次第」です。
金利が下がり、返済期間を延ばしすぎず、空いた枠で新たに借りなければ、おまとめローンは負担を減らす有効な手段になります。一方で、返済期間の延長だけで月々の額を下げたり、条件をよく確認せず契約したりすると、負担が減るどころか増えることもあります。
大事なのは、「月々の支払額」だけでなく「総返済額」まで見て判断することです。おまとめローンは魔法の解決策ではなく、正しく使って初めて効果を発揮する道具だと考えておくとよいでしょう。
まとめ
- おまとめローンは、複数の借入を1本化する仕組み
- 金利低下・管理の簡素化というメリットがある
- 返済期間の延長で総返済額が増える、審査に落ちる、また借りてしまうといった注意点もある
- 判断の軸は「月々の額」ではなく「総返済額」
- 契約前にシミュレーションと条件の確認を必ず行う
返済がつらいと感じたときは、一人で抱え込まず、まず現状を数字で整理してみてください。その一歩が、ムリのない返済への近道になります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の商品の利用を勧めるものではありません。借入の際は、返済計画を十分に検討し、契約内容をよく確認したうえでご判断ください。
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