2026年9月28日月曜日

キャッシング利用者の平均借入額を調べてみた

 
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「みんな、いくらくらい借りているんだろう?」

キャッシングを考えるとき、多くの人が最初に気になるのがここではないでしょうか。周りに聞ける話でもないので、自分の借入額が多いのか少ないのか、なかなか判断できません。

そこで今回は、日本貸金業協会や信用情報機関JICC、全国銀行協会などの公開データをもとに、キャッシング利用者の平均借入額を調べてみました。数字の裏にある意味まで、できるだけ冷静に読み解いていきます。

結論:貸金業者の利用者の平均借入残高は約58万円

日本貸金業協会の資料では、貸金業者から無担保・無保証で借りていて残高がある人の一人当たり借入残高は57.7万円(2025年3月末時点)でした。

意外と少ないと感じた方も多いかもしれません。実際、ローンのイメージから「100万円、200万円と借りている人が普通なのでは」と思っていた人には、拍子抜けの数字だと思います。

ちなみに、貸金業者から実際に借入残高がある人は、JICCの統計で約1,000万人以上います。20歳以上の人口を約1億人とすると、おおよそ10人に1人が何らかの形で借入をしている計算です。キャッシングは決して特別な人だけのものではないことが分かります。

平均借入額の推移:ピークの半分になった

この数字がどう変わってきたのかを見ると、さらに面白い発見があります。

  • 2007年3月末:116.9万円
  • 2013年頃:50万円台半ばまで低下
  • 2015年頃:52.4万円(底)
  • 2025年3月末:57.7万円

2007年の約117万円から、2025年には約58万円まで、およそ半分になりました。理由は2010年に完全施行された改正貸金業法です。この法改正で、借入総額が年収の3分の1までに制限される「総量規制」が導入され、上限金利も年20%に引き下げられました。高額の借入がしにくくなったことが、平均額を押し下げた大きな要因です。

ただし、底だった2015年頃からは少しずつ増加傾向にあります。ここ十数年は52万円台から57万円台へと、じわじわ上がっている状況です。

借入件数が増えるほど、残高は膨らむ

JICCの統計を紹介している記事によると、2025年12月時点の借入件数別の一人あたり残高は次のとおりです。

借入先の数一人あたり残高
1社約65.0万円
2社約99.0万円
3社約124.9万円
4社約151.4万円
5社以上約238.8万円

1社だけの人と5社以上の人では、残高に約3.7倍の差があります。借入先が増えるにつれて残高が雪だるま式に大きくなる傾向がはっきり出ています。

なお、この表の合計値(約84万円)は、先ほどの日本貸金業協会の57.7万円とは差があります。集計の時期や対象範囲が異なるためで、資料によって「平均」が違って見えるのはよくあることです。「日本人のキャッシング平均はこの金額!」と一つの数字を断定するより、およそ50万〜80万円台が目安と捉えるのが現実的だと思います。

参考までに、5件以上の借入がある人は、2007年3月末の約171万人から2025年3月末には約14.4万人へと大きく減っています。ただ、近年はわずかに増加傾向にもあります。

「平均」に惑わされないで:実際の分布を見てみる

平均値は、ごく一部の高額借入者に引っ張られることがあります。そこで、全国銀行協会の調査(2020年公表)から、貸金業者のみを利用している人の借入残高の分布を見てみましょう。

  • 1〜10万円:27.8%
  • 11〜30万円:21.4%
  • 31〜50万円:15.3%
  • 51〜100万円:17.6%
  • 101万円以上:合計で約17.9%

この調査では、貸金業者のみの利用者の平均借入額は約80万円でしたが、約半数(49.2%)は30万円以下、約8割(82.1%)は100万円以下でした。

つまり、実態としては「数万円〜数十万円を借りている人が最も多く、少数の高額借入者が平均を押し上げている」という構図です。「自分は10万円しか借りていないから少ない」と思う必要も、「100万円借りているから自分だけ特別」と思う必要もありません。

みんな何のために借りているのか

借入理由の統計(多重債務者対策に関する資料)を見ると、最も多かったのは**「低収入・収入の減少」**でした。次いで「商品・サービスの購入」「借金の返済」となっています。ギャンブルや遊興費といった理由は、上位ではあるものの中心ではありません。

物価高が続く中、「収入が足りないぶんを一時的に借りる」という生活防衛型の利用が多いことがうかがえます。一方で、「借金の返済のために借りる」という理由が3番目に入っているのは気になるところです。返済のための借入は、多重債務につながりやすいパターンだからです。

平均額を借りたらどうなる?返済シミュレーション

ここで、平均的な57.7万円を借りた場合を、実質年率18.0%、毎月1.5万円返済という条件で概算してみます。

  • 1年間の利息だけで約10万円
  • 完済までにおよそ5年
  • 利息の総額は約29万円

あくまで概算ですが、「57万円を借りて、返すのに約5年、利息だけで約29万円」という現実は、事前に知っておいて損はありません。

返済額が小さいと毎月の負担は軽く感じますが、そのぶん利息を払う期間が長くなります。借りる前に、月々の返済額と完済までの期間を必ず試算することをおすすめします。

平均額から見えてくる、賢い付き合い方

調べてみて感じたポイントを、3つにまとめます。

1. 平均を「借りていい目安」にしない
平均額は「みんなが借りている額」であって、「あなたが借りて安全な額」ではありません。収入や生活費は人によって違うので、自分の返済能力から逆算するのが基本です。

2. 借入先を増やさない
データが示すとおり、借入先が増えるほど残高は膨らみます。足りなくなったからと別の会社から借りる、という流れは早めに断ち切りたいところです。

3. 「年収の3分の1」を意識する
総量規制の上限は年収の3分の1ですが、これは「借りられる上限」であって「借りていい額」ではありません。無理のない範囲は、もっと低いと考えておくほうが安心です。

もし返済が苦しくなってきたら、一人で抱え込まず、早めに専門の相談窓口に頼ってください。日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターや、各地の消費生活センター、法テラスなどで相談できます。

まとめ

今回調べた内容をまとめます。

  • 貸金業者から借りている人の一人当たり借入残高は約58万円(2025年3月末、日本貸金業協会)
  • 2007年の約117万円から半減したが、2015年頃を底に微増傾向
  • 集計方法によっては80万円前後という数字もあり、資料によって幅がある
  • 実際の分布では、約半数が30万円以下、約8割が100万円以下
  • 借入先が増えるほど残高は大きく膨らむ

「平均を知る」ことは、自分の借入を客観視する第一歩になります。数字と比べて安心するためでも、焦るためでもなく、自分にとって無理のない借り方を考えるための材料として活用してください。

※本記事は特定の借入を勧めるものではありません。借入の際は、金利・返済額・返済期間をよく確認し、ご自身の返済能力の範囲内で慎重にご判断ください。

【出典】

  • 日本貸金業協会「データでみる貸金業界」(2025年7月)
  • JICC「各種統計データ」(貸金業法対象情報)
  • 全国銀行協会「銀行カードローンに関する消費者意識調査」
  • 「多重債務者対策をめぐる現状及び施策の動向 2025」

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