「年金って、自分たちの世代はいくらもらえるんだろう」
ニュースやSNSでこの話題を見るたびに、ため息をついてしまう方は多いと思います。将来のために備えたい。でも、物価は上がり、給料はなかなか増えない。節約しても、貯金はなかなか増えていかない。
今回は、そんな年金不安を抱える世代が、「将来」と「今」のバランスをどう取ればいいのかを考えてみます。
「老後2000万円問題」から続く、終わらない不安
年金への不安が一気に広がったきっかけは、2019年に話題になった「老後資金2000万円問題」でした。その後も、少子高齢化や物価高のニュースが続き、不安は形を変えながら今も続いています。
不安が消えない理由は、わたしたちにはコントロールできない要素が多いからだと思います。
- 制度がこの先どう変わるか分からない
- 物価や社会保険料の負担がどうなるか読めない
- 自分がいつまで働けるか分からない
「分からないこと」が多いと、人は二つの極端な行動に振れがちです。**「不安だから1円も使わない」か、「どうせ分からないから使ってしまえ」**のどちらかです。
でも、この二択で考える必要はありません。
「我慢しすぎる」ことにもリスクはある
将来に備えるのは大切なことです。ただ、「老後のために今は全部我慢する」という生き方にも、実はリスクがあります。
- 体力や気力があるうちにしかできない経験を逃してしまう
- 人付き合いを減らして、心が疲れてしまう
- 節約がストレスになり、反動で一気に散財してしまう
お金は、使ってこそ価値が生まれるものです。健康なうちに、家族と旅行に行く。学び直しにお金をかける。気の合う友人と食事をする。こうした支出は、人生の満足度を支える大事な土台になります。
ここで大切なのは「今を生きる」を**「今さえよければいい」と取り違えないこと**です。
『今を生きる』お金の使い方、3つの考え方
① お金を3つの「箱」に分けて考える
家計を「将来の箱」「今の箱」「もしもの箱」に分けてみましょう。
- 将来の箱:iDeCoやNISA、貯蓄など、老後に向けたお金
- 今の箱:趣味、旅行、外食など、人生を楽しむためのお金
- もしもの箱:病気や失業、急な出費に備える生活防衛資金
最初に3つの割合を決めておけば、「今の箱」の範囲内なら罪悪感なく使えるようになります。使うことへの後ろめたさが減るだけでも、気持ちはずいぶん楽になります。
② 「使って満足度が高いもの」に絞る
同じ1万円でも、満足度は使い方で大きく変わります。
- 惰性で続けているサブスクや、なんとなくの買い物 → 満足度は低め
- 思い出に残る体験や、長く使える道具 → 満足度は高め
「何にお金を使うと自分は嬉しいのか」を一度書き出してみると、意外と削れる出費と、削ってはいけない出費が見えてきます。減らすのは「満足度の低い支出」から、というのがコツです。
③ 収入を増やす選択肢も持っておく
年金不安への根本的な対策は、節約だけでは限界があります。働き方や収入源を広げることも、大きな安心につながります。
- 副業やスキルアップで収入の柱を増やす
- 年金の繰下げ受給を選び、受給額を増やす(受給開始を1か月遅らせるごとに0.7%ずつ増額され、最大75歳まで繰り下げ可能です)
- 健康に気をつけて、長く働ける体をつくる
「将来のために我慢する」だけでなく、**「将来の選択肢を増やす」**という発想も大切です。
急な出費が重なったとき、キャッシングとどう向き合うか
どれだけ計画を立てていても、家電の故障、冠婚葬祭、医療費など、予定外の出費は起こります。「もしもの箱」が足りないときに、選択肢のひとつとしてキャッシングが頭に浮かぶ方もいるでしょう。
キャッシングは、正しく使えば一時的な資金不足をつなぐ手段になります。ただし、便利だからこそ、次の点を必ず押さえておきたいところです。
借りる前に確認したいポイント
- 目的は「一時的なつなぎ」か:生活費の不足が毎月続いているなら、借入では解決せず、家計そのものの見直しが必要です。
- 返済の見通しは立っているか:借りる前に、毎月いくら・いつまでに返せるかを具体的にシミュレーションしましょう。
- 金利と総返済額を把握しているか:貸金業法で上限金利は法律により定められていますが、それでも借入期間が長くなるほど利息の負担は重くなります。
- 総量規制を理解しているか:貸金業者からの借入総額は、原則として年収の3分の1までと決められています。
- 正規の業者か:貸金業の登録がある業者かどうかは、必ず確認してください。
「今を楽しむため」の借入は慎重に
ここは大切な点なので、はっきり書いておきます。
旅行や趣味の費用を、キャッシングで先取りするのはおすすめしません。今の楽しみのために将来の返済を増やすと、結局「将来の箱」を削ることになり、年金不安をさらに大きくしてしまいます。
『今を生きる』ためのお金は、基本的に「今の箱」の中でやりくりする。キャッシングは、それでも足りない急な必要資金を一時的に補う手段にとどめておく。この線引きが、後悔しないためのポイントです。
もし返済が苦しくなってきたら、一人で抱え込まず、早めに専門機関へ相談してください。日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターや、法テラス、お住まいの自治体の消費生活センターなどが利用できます。
まとめ:不安と上手に付き合いながら、今日を大切に
年金への不安は、すぐには消えないかもしれません。でも、不安を「ゼロ」にしなくても、「見通し」を持つことで、気持ちは少しずつ軽くなります。
- お金を「将来」「今」「もしも」の3つの箱に分ける
- 満足度の高い支出を選び、惰性の支出を減らす
- 収入を増やす選択肢や、年金の受け取り方も知っておく
- キャッシングは「一時的なつなぎ」として、計画的に使う
将来を考えすぎて今を犠牲にするのも、今だけを見て将来を手放すのも、少しもったいない選択です。
「将来も大切に、今も大切に」。そのバランスを自分なりに見つけていくことが、不安の多い時代を生きるわたしたちにとって、いちばん現実的な『今を生きる』お金の使い方ではないでしょうか。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。借入は返済能力の範囲内で、契約内容をよく確認したうえで、ご自身の判断で行ってください。
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