お金を借りることを考えたとき、「A社で少し、B社でも少し」と分けたほうが安心な気がして、迷う人は少なくありません。
でも、結論から言えば、借入が必要になったときは、できるだけ借入先を絞ったほうが管理しやすく、負担も見えやすいというのが、この記事の考え方です。
もちろん、借りること自体を勧める記事ではありません。「借りるなら、どう整えておくと後悔しにくいか」を、一緒に整理していきます。
借入先を1社に絞るメリット
1. 返済日・返済額が一目でわかる
借入先が1社なら、確認することは次の3つだけです。
- 返済日はいつか
- 今月の返済額はいくらか
- 残高はいくらか
これが2社、3社と増えると、返済日がバラバラになり、「今月はどこにいくら払うんだっけ?」と考えるだけで疲れてしまいます。
返済日を1日でも忘れると、遅延損害金がかかったり、信用情報に影響したりする可能性があります。管理がシンプルなこと自体が、いちばんの安全策です。
2. 全体の借入残高を見失いにくい
複数社に分けると、1社あたりの金額は小さく見えます。5万円ずつ3社なら、「5万円くらいなら大丈夫」と感じやすいのです。
けれど実際の合計は15万円。1社ずつの金額が小さく見えることが、借りすぎに気づきにくくなる原因になります。
1社なら、残高がそのまま自分の借金の総額です。現実から目をそらしにくいのは、実は大きなメリットです。
3. 利息の上限が低くなる可能性がある
利息制限法では、借入額(元本)に応じて上限金利が決まっています。
- 10万円未満:年20.0%
- 10万円以上100万円未満:年18.0%
- 100万円以上:年15.0%
少額を複数社で借りると、それぞれが「10万円未満」の区分になり、高い上限金利が適用されやすくなります。同じ合計額でも、1社にまとまっていれば、上限の低い区分に入る場合があります。
※実際の金利は会社や契約ごとに異なるため、必ず契約内容で確認してください。
4. 手続き・連絡先がひとつで済む
住所や勤務先、電話番号が変わったとき、借入先が1社なら手続きは1回で終わります。借入先が複数あると、変更漏れが起きやすくなります。
返済が厳しくなって相談したいときも、相談先が1つなら動きやすいはずです。
5. 完済までのゴールがイメージしやすい
「この1社を返し終えたら終わり」というゴールは、気持ちの面でも大きな支えになります。返済計画が立てやすく、繰り上げ返済の効果も実感しやすくなります。
借入先を複数社に分けるデメリット
1. 管理の負担が一気に増える
返済日、返済額、返済方法(口座引き落とし・ATM・アプリなど)、サイトのログイン情報。借入先が増えるほど、覚えること・確認することが倍々に増えていきます。
管理が追いつかなくなると、うっかり遅れてしまう確率が上がります。
2. 借入総額がわかりにくくなる
先ほども触れたとおり、「1社ずつは少額」でも、合計すると想像以上になっていることがあります。
借入を考えている人は、まず全部の合計額と、毎月の返済合計を紙に書き出してみてください。それだけで、見え方が変わることがあります。
3. 審査・信用面で慎重に見られる場合がある
貸金業者は、貸付の際に信用情報機関(CICやJICCなど)に登録された情報を確認します。申込みの記録や借入件数は、審査の判断材料になる場合があります。
借入件数が多いと、新たな審査で慎重に見られる可能性があります。「複数社から借りると審査に不利になるのか」は気になる点ですが、件数は判断材料のひとつになりうると考えておくと安心です。
4. 総量規制の枠を意識しにくい
貸金業者からの借入には、原則として年収の3分の1までという総量規制があります。この「3分の1」は、1社ごとではなく、貸金業者からの借入の合計で見られます。
複数社に分けているうちに、気づけば上限が近づいていた、ということも起こりえます。
5. 返済が重くなったときに立て直しにくい
返済が苦しくなったとき、借入先が複数あると、「どれから返すか」「どこに相談するか」が複雑になります。
返済のために別の会社から借りる、という流れに入りやすくなるのも、複数社借入の怖いところです。
1社に絞れば必ず安心、というわけではない
ここまで読むと「1社がいちばん」と思えますが、注意点もあります。
- 1社でも、借りすぎれば返済は苦しくなる
- 限度額が大きいと、つい使いすぎてしまう人もいる
- 審査の結果、希望額に届かない場合もある
大切なのは、会社の数よりも、自分の収入に対して無理のない金額かどうかです。
すでに複数社から借りている場合は
すでに複数社の借入がある人も、焦らなくて大丈夫です。まずは次のことから始めてみてください。
- 借入先ごとの残高・金利・返済日・毎月の返済額を書き出す
- 合計額と、月々の返済合計を確認する
- 「おまとめローン」や借り換えが自分に合うか、条件を比べてみる
- 返済が厳しいと感じたら、早めに専門の相談窓口に連絡する
おまとめや借り換えは、金利や手数料、返済期間によっては、かえって総返済額が増えることもあります。必ず条件を確認して、慎重に判断してください。
まとめ
借入先を1社に絞るメリット
- 返済日・返済額・残高が把握しやすい
- 借りすぎに気づきやすい
- 上限金利の低い区分に入る可能性がある
- 手続きや相談先がひとつで済む
- 完済のゴールがイメージしやすい
複数社に分けるデメリット
- 管理が複雑になり、返済忘れのリスクが上がる
- 借入総額が見えにくくなる
- 審査で慎重に見られる場合がある
- 総量規制の上限を意識しにくい
- 返済が苦しくなったとき、立て直しにくい
お金を借りるのは悪いことではありません。ただ、借りる前に「どこから、いくら、いつまでに返すか」を決めておくことが、自分を守ることにつながります。
借りる場合も、すでに借りている場合も、数字を紙に書き出して、冷静に向き合ってみてください。返済が不安になったときは、一人で抱え込まず、早めに専門の相談窓口に話してみましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。金利や条件は会社・契約ごとに異なりますので、申込み前に必ず公式サイトや契約書面でご確認ください。
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