最後の返済を済ませた日、特別なことは何も起きませんでした。
スマホの画面に「ご返済ありがとうございました」という文字が出て、残高の欄が「0円」になっただけです。紙吹雪も舞いませんし、誰かが拍手してくれるわけでもありません。
それでも、その日の帰り道は、いつもと少し違って見えました。今日はその話を書いてみます。
思っていたより、静かな「ゴール」
完済の日が近づくにつれて、私は勝手に想像を膨らませていました。
「その瞬間は、きっと何か大きな感情が湧くんだろうな」と。嬉しくて泣くとか、ガッツポーズをするとか、そんな場面です。
ところが実際には、画面を見て「あ、終わった」と思っただけでした。拍子抜けするほど静かだったのです。
しばらく画面を見つめて、念のためもう一度アプリを開き直し、残高が本当に0円になっているのを確かめました。何回見ても0円でした。
帰り道で気づいた、小さな変化
変化に気づいたのは、駅から家までの道を歩いている途中です。
いつもと同じ道、同じ信号、同じコンビニの前を通っているのに、肩のあたりがほんの少し軽い気がしました。
考えてみると、返済中の私は毎月の引き落とし日を無意識のうちに頭の片隅に置いて暮らしていました。
- 給料日が来ると、まず返済日までの残高を確認する
- 少し高い買い物をするときに、返済のことが頭をよぎる
- 友人からの誘いに「今月はちょっとな」と思う
どれも大げさな苦しさではなく、ほんの小さな「引っかかり」です。ただ、その小さな引っかかりが毎日少しずつ積み重なっていたのだと、完済してから気づきました。
軽くなったのは気持ちだけで、財布の中身が急に増えたわけではありません。でも、頭の片隅にあった重りが一つ消えたような感覚がありました。
「何も変わらない」と「少し軽くなった」は両方本当
完済したからといって、人生が一気に好転するわけではありません。明日も仕事はありますし、家賃も光熱費も変わらず発生します。
一方で、毎月の返済というひとつの項目が家計から消えたのは確かな事実です。
私はこの二つを、無理に一つにまとめなくてもいいと思っています。「何も変わらない」と「少し軽くなった」は、どちらも本当の気持ちです。
大きな達成感を求めすぎなくていいし、「完済したのにそれほど嬉しくない自分はおかしいのかな」と心配しなくてもいい。ちょっとだけ軽い、くらいがちょうどいいのだと思います。
帰り道に、ささやかなご褒美を
その日は、家の近くのコンビニで、普段は買わない少しいいアイスを買いました。
豪華な打ち上げではなく、三百円ほどのアイスです。それを歩きながら食べたのですが、びっくりするほど美味しく感じました。
返済中にご褒美を我慢していたつもりはなかったのに、今思えば、気持ちのどこかで遠慮していたのかもしれません。完済した日のアイスは、「もう大丈夫」と自分に言ってあげるための小さな儀式でした。
これから借りる人、いま返している人へ
この記事を読んでくださっている方の中には、これから借りることを考えている方や、いま返済の途中にいる方もいるかもしれません。
私から言えることは多くありませんが、ひとつだけ。返済には必ず終わりがあります。
毎月の数字がなかなか減らないように見える時期は、確かにあります。それでも、一回ずつの返済は確実に残高を動かしています。ゴールは、ふとした瞬間に静かにやってきます。
もちろん、無理のない返済計画を立てることが大前提です。借りる前に自分の収入と支出を見直し、返せる範囲かどうかをじっくり考えてください。返済が苦しくなってきたときは、ひとりで抱え込まず、契約している会社や公的な相談窓口に早めに相談することも大切です。
まとめ
完済した日の帰り道は、劇的な景色の変化があったわけではなく、肩のあたりがほんの少し軽くなっただけでした。それでも、その小さな軽さが、私にはとても大切に思えたのです。
最後にこの記事のポイントを整理します。
- 完済の瞬間は、想像よりずっと静かだった
- 毎月の返済は、気づかないうちに気持ちの片隅に残っていた
- 「何も変わらない」と「少し軽くなった」は、どちらも本当の気持ち
- ささやかなご褒美で、自分に「おつかれさま」を言ってあげるのもいい
- 返済には終わりがあるが、無理のない計画と早めの相談が大前提
今日もどこかで、静かに最後の返済日を迎える人がいるかもしれません。その帰り道が、少しだけ軽いものになりますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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