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きっかけは、ほんの軽い気持ちだった。
「今月はちょっと厳しいから、審査が早いところで」——そう思って申し込んだのが最初の一社。次の週には「もう少し借入枠が大きいところも見ておこう」と、比較サイトを眺めながら別の会社にも申し込んでいた。さらにその数日後、「無利息期間があるならこっちの方がお得かも」と、また別のカードが届いた。
気づけば、財布の中にはロゴの違うカードが三枚も並んでいた。
最初のうちは、それぞれのカードがどこの会社のものかしっかり覚えていた。むしろ「これでどこよりもお得な借り方ができている」と、ちょっとした達成感すらあった気がする。
だが、返済日が近づいてきたある日、通知アプリを開いて手が止まった。
「あれ……これ、どの会社の分だっけ?」
三社それぞれで返済日が微妙にずれていて、金利も違う。無利息期間が残っているカードとそうでないカードが混ざっていて、どれがどれだか一瞬わからなくなったのだ。慌ててカードを一枚一枚裏返し、アプリのログイン画面を開き直して、ようやく整理がついた。
冷や汗をかきながら思ったのは、「借りる前はあんなに比較して選んだのに、借りた後の管理はまるで考えていなかった」ということだった。
複数社から借りること自体が悪いわけではないと思う。それぞれの会社に良さがあって、比較して選ぶこと自体は間違っていなかった。ただ、借りた後にどう管理するかまでは、正直まったく想像していなかった。
それ以来、借入先が増えるたびにメモアプリに「会社名・返済日・金利・残高」だけは必ず書き出すようにしている。地味な作業だけれど、あの日の「どれがどれだかわからない」という焦りを二度と味わいたくないから続けている。
もし複数社の利用を考えている人がいたら伝えたい。選ぶときの比較と同じくらい、借りたあとの「見える化」も大切にしてほしい。混乱してから気づくより、ずっと気持ちが楽になるはずだ。
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